周囲のざわめきや、デジタルから流れ込む情報など、“too much”なものから、ふっと一歩離れる。そんなとき、自分のまわりに立ち上がるプライベートな空気を「my bubble」と呼びます。

それは、自分の呼吸やペースを整え、「自分だけの空気とリズム」を取り戻すためのエアポケット。そこで見つかる心地よさのかたちは、人によってさまざまです。
このインタビューでは、自分らしい心地よさを知る人にフォーカス。日々のなかで、どのように「my bubble」をつくり、自分自身へと戻っているのかを聞きます。

第1回は、東京でモデル・インフルエンサーとして活動する一方、農村地域で農業を学び、その様子をSNSで公開しているKaiさん。明るくハッピーな発信で多くの人を惹きつけるKaiさんは、日々、どんなものに自分の心地よさを感じているのでしょうか。

Kai

2024年からモデルとしての活動を開始。現在は農家に弟子入りし、週に1度、農業修業に励んでいる。InstagramやTikTokでは、「農業男子」として農作業の様子やライフスタイルを発信。ポジティブな言葉や人柄に元気をもらえると、人気を集めている。

Instagram: @k_xx131
TikTok: @k_xx131


Topic1. SNSは「ハッピーをシェアする場所」と捉える

モデル活動や農作業の様子など、日々の暮らしをSNSで発信しているKaiさん。発信する立場としてスマホやSNSに触れる時間も多いなか、デジタルの情報や反応にどのように向き合っているのでしょうか。

 ――スマホをながめていて、ワクワクするのはどんな情報ですか?

美容とかグルメとかいろいろ見るけれど、特にワクワクするのはファッションですね。好きなブランドのルックやランウェイ映像を見るのが好きです。あとは、マッチョが踊っている動画とか(笑)。

――TikTokやInstagramを中心に活動しているKaiさんですが、さまざまな情報や反応と向き合うなかで、疲れを感じたり、少し距離を置きたくなったりすることはありますか?

それが、SNSの世界にストレスを感じたことって、あまりなくて。たまに自分の投稿に中傷のコメントがつくこともありますけど、そこまで気にならないんですよね。

 ――ネガティブなコメントが届いたときは、どのように受け止めていますか?

「お〜きたきた!」くらいに思って、受け流してます(笑)。普段はそういうコメントってあまりこないから、自分のことをフォローしてくれている人じゃなくて、普段見ていない人にまで届いたっていうことだな、と解釈して。人間誰しも、100人中100人に好かれるっていうのは無理じゃないですか。だったら、自分のことを好いてくれる人を大切にしたい。SNSは、「ハッピーをシェアする場所」だと思っているんです。ネガティブな言葉に引っ張られて落ち込んでいるよりも、自分を応援してくれる人にハッピーを届けたい。そう思っているから、苦痛ではないのかもしれません。

説明
Topic2.畑で作業に没頭する時間が、心を整える

仕事も軌道に乗り、丸1日オフの日はほとんどないというKaiさん。忙しく過ごす日々のなかで、自然とスマホから離れ、目の前の作業に没頭できる場所があります。それが、現在農業修業をしている農園です。

 ――そもそも、農業を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

不規則な生活が続いて、体重が増えたことがきっかけです。まずは食生活を見直そうと、野菜中心の食事に変えていくなかで、「せっかくなら自分で野菜をつくってみたい」と思うようになったんです。その後、家の近くにある農場をネットで調べたのですが、電話番号が載っていなかったので、直接「農業を学びたいです!」とお願いしに行って。そのあと、ご縁があって自分の畑を借りることもできました。今は週に1回農園に通って、農薬や化学肥料に頼らない野菜づくりを学びながら、借りた畑でイチから野菜を育てています。

――農作業に没頭する時間は、Kaiさんにとってどんなものですか?

畑で動画を撮ることもありますが、それは作業の中のほんの一部。実際はスマホから離れて、土をいじったり、草むしりをしたり、ひたすら手を動かしている時間のほうが長いんです。そうやって作業に没頭していると、自然と頭が空っぽになります。畑仕事でたくさん汗をかいて、そのあと半身浴をして、また汗をかく。そうすると、体や心にたまっていたものまで、一緒に流れていくような気がします。心も身体もすっきりして、自分に戻れる時間ですね。

kaiくん スキンケア
Topic3. 経験を重ねるほど、前向きになれる

知識も経験もないなか、直接農家に弟子入りし、さらには自分の畑を借りて、野菜づくりをはじめたKaiさん。思い立ったことを憧れで終わらせず、実際の行動へと移していく。その軽やかな行動力も、Kaiさんらしさのひとつです。 

――Kaiさんの行動力の源は、どこにあるのでしょうか?

とにかく経験することが大事だと思っていて、「タダでは転ばない」という気持ちは、常に持っていますね。やりたいことがあっても、なかなか行動に移せない人もいると思います。もちろん行動したからといって、全部が思い通りになるわけではないし、夢は必ず叶うってよく言うけれど、僕は叶わないこともあると思う。ただ、行動を起こしたことで得られるものは絶対にあるはず。転んだとしても、何かひとつでも得られればいい。そういう気持ちを大事にしています。

――転んだ経験は、Kaiさんのマインドにどう影響していますか?

失敗したり傷ついたりした経験がある人ほど、人に寄り添ったり、共感したりできるようになるんじゃないかと、僕は思うんです。たとえば心ない言葉を向けられたとしても、その人にも何かつらいことやストレスがあるのかもしれないと思える。そうやって受け止め方を変えられると、自分の気持ちの切り替えもしやすくなって、前向きになれる気がします。

Topic4. 今日を楽しく始めることが、心地いい自分につながる

ネガティブなことがあっても、受け止め方を変えて、前向きな気持ちへと戻っていく。そんなKaiさんのポジティブな姿勢は、1日の始め方や肌との向き合い方にも表れています。

――毎日の中で、大切にしているルーティーンはありますか?

朝起きてすぐ、「きっと今日も楽しくなる!」と頭の中で唱えてから行動するようにしています。そうすると気持ちの入り方が変わって、不思議と本当に楽しくなるような気がするんです。

 ――身体や肌を整えるためにしていることはありますか?

大事にしているのは睡眠ですね。仕事でよっぽど遅くならない限りは、12時前にはベッドに入って、8〜10時間くらいは寝ています。肌にニキビができると、「あ〜最悪」って一度は気持ちが落ちちゃいますけど、隠せるものだったら、上からアイラインで点を描いて、ほくろみたいにしちゃう(笑)。肌も気持ちも、落ち込む日があるのは自然なこと。人間ですから。ネガティブなことがあったときに、どう変換していくかが大事なのかなと思っています。

What's in Kai’s Bubble?

――忙しい日常から少し離れ、自分らしい心地よさを取り戻す「my bubble」。あらためて、Kaiさんにとっての「my bubble」について、聞かせてください。

畑で作業に没頭して、頭をからっぽにすることですね。東京での仕事やSNSでの発信も大好きだけど、畑で気持ちが整えられるからこそ、前向きな自分に戻れるのだと思います。僕らしいハッピーマインドを保つための、とても大切な空間です。

Photo_Wataru Kakuta(TRIVAL), Hair&Make-up_CoCo Osaki, Edit&Text_ KNAX